パキスタンとアフガニスタン青年間の対話アクション!-信頼構築のために-

パキスタンとアフガニスタン青年間の対話アクション!

両国間で、紛争や暴力、過激主義について、相手国への相互非難がなされることも多い中、画期的なアクションです!

パキスタンには、国境沿いの拠点都市であるペシャワールを含め、アフガニスタンから逃れてきた難民の人たち、その子どもたちや孫たちを含め、大変たくさんのアフガニスタンの人たちがいます。

今回のアクションは、そうしたアフガニスタン人の青年も学ぶペシャワール大学で行われました。

ペシャワール大学では、パキスタンの学生とアフガニスタンの学生たちの間に不信感があります。これは両国の青年の間の相互理解が大きく不足していることが原因です。両国に存在する過激主義や武力主義・武装集団をめぐり、互いが相手を非難しています。青年メンバーの一人であるアフガニスタンの学生からは、キャンパス内でパキスタンとアフガニスタンの学生たちが意見の違いから相手の国の旗を燃やす事件があったことの報告がありました。

今回のアクションの目的は、双方の学生たちが顔を合わせて意見を交換し、友情と連帯を築くための機会を与えることです。双方の青年たちが、青年として直面している問題をよりよく理解し、アフガニスタンの青年たちが、パキスタンの青年組織(大学での青年会のような)とより緊密に活動を行うための機会ができることが期待されます。

青年たちの平和の学び合いのワークショップ3回目には、20名のアフガニスタン青年と10名のパキスタン青年が参加し、平和と信頼構築について学びました。

教育が、一般教育、宗教教育とも、思想的な過激主義や暴力的な過激主知を助長する一つの要因にもなっていると多くの人によって考えられている、パキスタンのような国々では、広く受け入れる、寛容な教育のあり方を促進する必要が、より一層、重要で喫緊のものになっているという考えが、青年たちによって展開されていきました。

大学も含め、パキスタンでは多元性や多様性が失われつつあるのは残念なことです。様ざまな大学で、過激主義が拡大し、暴力的な行動の要素が頻繁に認められ、深刻な懸念があります。

このパキスタン・アフガニスタン青年間対話アクションはペシャワール大学で実施されました。青年グループはアクションの目的を次のように述べました。

  • 双方の学生たちのための大学での議論と対話の場をつくり、促進する。
  • 大学での文化間対話の促進のための関係者間の調整と協力を高める。

青年グループは参加者に、この対話が大学で開催されたのは、大学で、そして大学を超えて、両国の青年たちの中で、平和、社会的一体性、そして多様性の促進についての建設的な対話と議論を開始してほしいからであると述べました。大学では、アフガニスタンとパキスタンの青年間でたくさんの争いが報告されており、お互いに受け入れ合うことがなく、過去に起こったことを非難し合い、政治家のせいにしている、とも述べられました。

アフガニスタン学生の中には、外国人の学生として、大学で多くの問題に直面していると話す者もいました。教育書類の証明が必要な時に、書類を証明してもらえず、苦痛を感じているということです。参加者は皆、これはアフガニスタンの学生にとって非常に大きな問題であることを確認し、皆がこの問題を大学の方針に沿って解決することが要請されました。

一方で、パキスタン学生の中には、アフガニスタン学生の多くが、パキスタン国家の団結に否定的な発言をしており、これは容認できないと語る者もいました。

議論のあと、参加者たちは双方の学生で一つの委員会を作り、その委員会が、大学内外の青年に関わる問題を解決していく責任を持つことを提案しました。そして、委員会が青年たちによって設立され、個々の経験と教育に基づく選出も行われました!

 

☆「ジルガ」設立アクション!-地域の伝統的な紛争解決システム-

紛争や過激化の影響は、それまでにあった紛争解決のシステムにも及び、機能しなくなることがあります。ペシャワールを含むアフガニスタンとの国境地域は、こうした影響を特に受けている地域です。そもそも、争いごとは解決されないと、さらに大きくなってしまうことがあります。

今回、ペシャワールの青年グループは、地域の伝統的な紛争解決システムである「ジルガ」を設立するためのアクションを行いました!

最終的に紛争解決を担保する裁判所が必要なのはもちろんですが、その他の多様な紛争解決の仕組みや、お互いの役割分担や連携などによって、様ざまな場面で、人々が利用しやすい形で、適切に紛争を解決していくことが必要です。

「ジルガ」はパキスタン、アフガニスタン両国にある、特に地域の年長者を中心にした話し合いによる地域の伝統的な紛争解決システムです。参加型、迅速、裁判のようにお金がかからないこと、地域言語で行われることなどの特徴があります。

また、紛争の影響を受けた地域では、警察当局によって設立された「紛争解決委員会」(Dispute Resolution Council: DRC)という仕組みもあります。こちらも、裁判以外でも、地域社会のかかわりによって紛争を解決するための仕組みです。

今回のアクションを実施した青年たちは、「紛争解決委員会」(DRC)は、それでもやはり、政府に関係する、もしくは非常に重要とされるような地域の紛争を扱っており、異なる家族・青年・地域社会の人びとの間の小さいと思われるような多数の紛争を解決する時間がないと考え、また、「ジルガ」の方も、利害で動くこともあり、地域人口自体が非常に多いことからも、自分たちで地域に呼びかけて「ジルガ」を設立しようと考えたようです。

青年たちは集まった地域の人たちに「ジルガ」についての説明をあらためて行い、「ジルガ」のメンバーが、個々の経験に基づいて、参加者によって選出されました。地域社会に影響と責任を有する人たちで、地方自治体メンバー、教員、年長者、宗教者からなっています。

青年グループは、「ジルガ」のメンバーに、紛争解決や、青年たちの平和活動などに力を貸してほしいと、あらためてお願いをし、メンバーは協力を約束してくれました!

宗教者とのネットワーク!-平和の取り組みのためにー

宗教、宗教者は、平和や調停の主体として、人道支援の提供主体として、平和のために大きな役割を果たしています。

ペシャワールの青年グループの一つが、宗教者や宗教を学ぶ学生たちに、地域での平和の大切さについて地域の人びとに伝えてもらうために、平和をつくることにおける宗教者の役割について話し合うアクションを実施しました!

青年グループは、このアクションの前段階の学び合いで学んだ講師の宗教学者の考えも引用して、平和の宗教であるイスラムについて話し合い、宗教者の平和の取り組みへの協力を訴えました。

青年グループは、宗教者に「皆さまは団結のシンボルであり、人々はあなたがたのご意見やお話を尊敬しています。私たちの活動に賛同していただけるなら、平和を促進し、青年たちが地域で平和に行動するよう働きかけてほしい。皆さまには、金曜礼拝をはじめ様々な行事で、青年たちに、平和な振る舞いをし、平和に向けた行動をサポートするよう伝えるたくさんの機会があります。」と伝えました。宗教者たちは、活動に感謝の意を表し、目標の達成にむけてのサポートを約束してくれました!

この話し合いの後、宗教指導者による宗教儀式での平和の教えが実際に開始され、日々の暮らしの中での平和的な振る舞いを促してくれています。特に、宗教学校(マドラサ)の青年たちには、宗教教育とともに、社会の他の側面についての知識を高めるため、政府の学校での教育も開始するよう促しているそうです。

☆「銃ではなく教育を!」アクション!☆

ペシャワールの青年グループの一つが「銃ではなく教育を」というテーマでの地域での話し合いのアクションを実施しました!

今回のアクションが行われた地域を含む、広くこの領域一帯では、銃の所持が普通のことのようになされています。人びとは、家族間、土地、民族に関わる争いごとがあって、常に危険を感じるため、身を守るために銃を使用するのだといいます。また、人びとは「息子たちは銃である」とも言います。なんという表現でしょう。男性が争いごとに関わるので、男性たちの力があることで相手方に圧力をかけることができるのだといいます。

今回のアクションが行われた地域は、非常に厳しい貧困地域でもあり、それが理由で教育が優先的なものとされていません。貧しさから、ほとんどの子どもたちが車両整備場、農地、ブロック工場などでの児童労働に従事しています。

こうした状況から、今、自分たちは、こうした悪い慣習を次の世代に渡してしまっているという声が上がり、「銃ではなく教育を」というテーマで話し合うという、今回のアクションが実現しました!このアクションを行うための事前協議を地域の人びとと何度か行う中で、多くの人が、こうした問題について話し合うこともなかったし、引き起こされる悪い結果について考えたこともなかったと語ったそうです。

本番のアクションでは、青年グループは地域の年長者や政治指導者、青年、宗教指導者らを会合に招き、以下のような議論を行いました。

銃については、政府からの適切な許可証がなければ、全ての銃の所持と使用が犯罪であるということが説明されました。

教育については、地域からは、子どもたちを学校に通わせないのは貧しいからだという声が上がりました。青年たちは、現在、この地域の政府によって無料で教材が配布されており、また、貧しい家庭の子どもたちへの授業料は廃止されたことについて説明しました。長年にわたり紛争に伴う様々な困難に苦しんできたこの地域の人びとのための措置です。

教育に関しては以下のような議論が行われました。

教育は平和構築になくてはならないものである。教育を通して人は知識を得るにとどまらず、道徳や社会的規範、礼儀、正しいふるまい、人とのスムースな意志疎通の取り方など、多くのことを学ぶ。攻撃的にならずに問題を解決する手段も見つけられるだろう。

青年たちは教育の重要性について切々と語りました。

グループのリーダーはこう語りました。

「子どもは学校で勉強をし、課外授業に参加して楽しみを見つけ、武器を使った紛争に関わるのを避けることができる。教育は、何が正しくて何がよくないことかを理解し、賢い判断を下すことを可能にする。逆に教育の機会が与えられないと、争いやもめ事が起きるだろう。平和な社会、地域国を作るために教育の意義が認識されるべきである」。

他のメンバーからは、教育は人間の進歩と貧困の撲滅にとってもっとも必要とされるものであろう、との意見が出ました。教育によって次の世代が、個々の幸福・健康や安全、将来の政治・経済・社会・文化・様ざまな仕組みなどの発展をよく理解できるようになると。

最後に青年たちは参加者たちに向かって「ぜひ子どもを学校に行かせてほしい。教育は平和にとってたいへん必要なものだから」と訴えました。子どもを働かせている親の中には、子どもを学校に行かせるようにすると、その場で約束する人がいました!

青年たちはまた参加者に、今回の話し合いに参加しなかった人たちにも、様ざまな集まりや場で、今日のメッセージを伝えてほしいと語りました。また、今回の話し合い内容を伝えていくためのボランティアグループが設立されたそうです!

☆平和人列伝-アスリート編☆(クリケットを通じた平和メッセージ発信!)

ペシャワールの青年グループの一つが、クリケットを通じた平和アクションを企画しました!スポーツは平和との関係が深いものです。スポーツには寛容と相互理解を深める力があって、平和につながります!

クリケットの試合を始める前に、グループリーダーは参加者に向けて以下のように発言しました。

「スポーツは、人びとが集まって、同じ目標に向かって行動し、他人に敬意を払い、場所と道具を共有する環境をつくる格好の場を提供する。すべてのこうした側面が平和構築にとって極めて重要である。言葉を使わずにコミュニケーションをとり、共通の体験をし、直接的に身体でふれあい、そしてコミュニティでの分断を乗り越えられるなど、異なる集団の交流や関係づくりに有益だ。」

青年グループは、参加者に地元の平和大使になってもらいたいと提案しました。「地域には多くの暴力があり、今は問題をよりよく解決する適切な方法もない。私たちは今日、平和をつくることを伝えるためにここにやってきた。平和のためにぜひ協力してほしい」と訴えました。

説明が終わると参加者は二つのチームに分かれ、クリケットの試合が始まりました。試合中、平和のスローガンも共有され、地域の人びとに平和をつくる活動を応援してくれるよう呼びかけられました。試合後には表彰が行われました!

 

「平和のための人の道!」-対話集会(パキスタン)

青年たちが自身の発案で実施するピースアクションの一つとして「平和のための人の道!」という対話集会が開催されました!実際のタイトルは「Humanity for Peace」!。人の生き方や、個々の人生にかかわる対話、話し合いがなされており、あえてベタに「平和のための人の道」との翻訳をいたしました!

地域での紛争に関わっている若者たちも招かれ、直接の対話が行われたようです。果たして、もう紛争には関わらない、起こさないとなったのか…

このアクションが行われた地域では、薬物の売買や使用などもなされており、それによって引き起こされる窃盗などの事件も多数起きています。地域の人びとからは、問題になっている若者たちについての提起と、このアクションにこの若者たちを参加させてほしいとの要請がなされました。地域との連携体制が組まれ、アクションの前に6回もの事前会合がなされています。この若者たちも招かれています。

そして実際のアクション「平和のための人の道!」では、平和にかかわる様ざまなことがらについての対話、地域の人びとや様ざまな若者たちを一つにすることが目的とされ、平和をつくっていくための努力をしようと呼びかけられました。イスラムにおける他者の権利、イスラムは平和の宗教であり、ムスリムとして平和と社会調和のために行動することは義務であるとの説明がなされました。

会合では以下のような強い訴えがなされました。

…地域には多くの紛争と暴力があるのに誰もそれを解決しようとしない。社会をよい方向に変えようとしない。この地域の多くの若者が紛争にかかわっているのに、誰も解決しようとせず、平和的な行動をとうるように促すものもいない。まさにこのことが理由で、私たちは今日ここに来ている。問題になっていることについて伝え、地域の平和のために行動を起こせるようにするである。平和なくしてはこの国が発展する道はない…

強い訴えです。

会合には、紛争にかかわっている若者たちも招かれており、一緒に行動するよう呼びかけられました。

この若者たちには自分たちの感情や意見を吐露する場が設けられ、若者たちによい方向への動機付けをするような具体的な様々な話も共有されたようです。この若者たちは、自分たちが受け入れられないことに関わっており、地域に何の敬意も持っていなかったと話し、自分の人生や時間を無駄にしていたと認識したとのこと。その後は地域の人たちとのコミュニケーションも始まり、地域でのイベントなどにも参加しているようです!

また、すでにアクション実施前の事前会合から変わり始めていたようで、自らの参加のみならず、ほかの地域の人たちをこのアクションに招いたりもしていたようです!さらに、その他のピースアクションなどにも参加したいと述べているようです!

アクションを行った青年たちとこの若者たちとで友情が生まれたと話してくれる人もいました!

アクションの最後では、平和のための取り組みを進めていること、ペシャワール地域の若者のネットワーク作りを行っていることも強調されました。参加者たちからも協力が表明されました!

「平和資料センター」設立アクション!(パキスタン)

ペシャワールでの青年平和活動では、グループに分かれて平和に関する学びを行っています。学びを行った青年たちは、順次、青年自身の発案によるピースアクションを実施します。今年度のアクションが始まっています!まずは、「平和資料センター」設立アクションをご紹介!

青年たちはある地域での「平和資料センター」設立を目指し、まずは、設立に向けての話し合いを行いました。上記、話し合いの様子です!何だかカワイイ☆

センター設立の趣旨は以下!

◆背景:地域一帯は、過去に多くの暴力などに苦しんできた。特に青年たちは特定の勢力からの影響で道を誤らせられてきた。今なお、青年たちの学びのためのポジティブな場がない。また、雇用がないことから、ネガティブな思考に陥ったり、誤ったお金の稼ぎ方をしたりすることも多かった。

◆目的:平和資料センターを設立し、対話、相互理解、平和の価値(知識・意見や文化間交流などを通じたもの)、他者への敬意、社会の協調、青年間のつながりを促進する。また、求職のサポートを行う。

◆活動:センターにて以下を提供する。

  • 雇用のための青年たちへの情報・求職補助・カウンセリング。
  • 教育機関(特にパキスタン・アフガン国境地帯:旧FATA(下記※参照))における奨学金・小規模ビジネスのための政府の青年ローンプログラム・入学・民族にかかわる問題の解決。
  • 旧FATAにかかわる新しい法律についての紹介。
  • 平和に関する様々な資料の収集と配布。
  • 地域のインフラや学校施設などに関しての地域の政治家との関係づくり。
  • 地域の鉱物資源に関する争いの解決の促進。

※FATA(連邦部族直轄地域):FATAでは地域の行政責任者が広範な権限を有し、通常の国内法や司法権が適用されず、部族全体の集団責任も問えるとされていました。長年の人びとの要求を受け、ついに2018年、FATAは隣接州(州都ペシャーワル)に編入され、この地域の人びとも他の地域と同様の権利を享受できることになりました。画期的な出来事です。(参照:https://www.facebook.com/peacevillageunited/photos/a.2242578739159383/2416489578434964/?type=3&theater

参加者からは協力とセンター設立のための場所を選ぶことが表明されました!すでにある地域の寄り合い場が利用されることが提案されています。今後が楽しみです!

 

 

ペシャワール青年ピースアクション☆二年度目!―青年たちや関係者との協議!

青年たちが平和を学び合うワークショップや、青年自らの発案・実施によるピースアクションの事前段階として、活動説明、活動参加呼びかけ、現地状況把握などを目的とした、青年たち(リーダーほか)、地域の人びと、市民団体、メディア、宗教関係者、政府関係者などとの協議を行いました!

このプロジェクトの活動地域は、社会から疎外されている地域で、過去に暴力事件や麻薬、その他、暴力的な過激主義に関連するものによる影響を受けた場所です。民族、政治、宗教・宗派などで分断され、暴力的な過激主義集団は、そうした地域の青年たちたちや地域社会につけこんでいるといわれます。

★過激主義の原因や問題点として、以下の点があげられました。

  • 青年たちはソーシャルメディアに大きく影響されている。ソーシャルメディアにおける争いを指向する映画やビデオにより青年たちに寛容な振る舞いがなくなった。また、ソーシャルメディアをネガティブな目的に使用することもある。
  • 社会の支柱である宗教学者にも、青年たちの間に平和と調和を促進しようとしない者がいる。
  • 政治家にも、争いや不寛容をもたらしている者がいる。政党の関係機関の中には、青年たちを使って自分たちの利益になるような活動を行っているところもあり、教育システムの中での大きな争いの元となっている。
  • 教育機関のカリキュラムに適切な平和教育の科目がない。
  • 建設的な対話や相互扶助、信頼構築のための青年たち生産的でポジティブな場がない
  • 地域や集団の集まりで、意思決定や争いごとの解決などを行うジャルガ/ジルガは、パシュトゥ文化における平和のシンボルであり、年長者は青年たちを受け入れる準備ができているのだが、青年たちはこれに参加していない。

★また、以下のような提案や要請、コメントがなされました。

  • コミュニティの事柄について背景知識のある青年リーダーやジャーナリスト、ソーシャルメディア活動家、若い宗教指導者などをトレーニングに呼んでほしい。
  • 様々な分野の青年たちたちとのカウンセリングを実施して、何らかの方向を示し、この活動にも関わってもらい、彼らがもっている現在の社会システムや他の青年たちへの不信感を取り除いてほしい。
  • 青年たちたちは様々な物事に触れていないので、積極的に違う世界を見せることも必要であり、体験訪問のようなものを行ってほしい。それによって、知識や理解が深まり、自身が果たすべき役割を効果的に果たすことができるようになる。
  • 政党の関係機関に関係する青年たちもトレーニングに招いて、平和と寛容の精神を伝えていく予定である。
  • このプロジェクトでトレーニングを受けた青年たちたちが、地域の青年たちたちを、ソーシャルメディアや通常メディアをうまく活用してポジティブな活動を行う取り組みや場につなげることになるだろう。
  • 青年リーダーたちが、若い政治指導者や宗教学者、学術機関、関係政府機関、市民団体に積極的に働きかけて、青年たちが信頼できる環境を提供し、青年たちが生産的に、ポジティブに、暴力的な過激主義に対抗できるようにしていく。
  • もし資金などがあれば、青年たちの対話の場をユニオン・カウンシル(行政単位)レベルに設けたい。こうした場は、地域の平和に影響を与える地域の争いごとなどを明らかにする責任を負うことになるだろう。
  • 宗教学者へのトレーニング計画も作ってほしい。
  • またジャルガジルガ/のメンバーたちも紛争解決のための技術について適切なトレーニングを受けていないので、可能であれば、トレーニングを行ってほしい。こうした活動は、平和な社会に寄与する。
  • 今後の活動には女性も招待したい。

★コロナウィルス対策のため、移動や会議に一定の制限がありました。消毒・マスク・屋外会議などの配慮を行ったほか、オンラインでの会議なども実施しました!

以上

イスラムにおける女性の権利!

今回のユース・ピースアクションはイスラムにおける女性の権利についてのセッションです!

(参加女性の写真の掲載ができません。現地(上)と日本(下)、花の写真で連帯します!)

今回の企画は女性のみのユースグループによるもので、イスラムによれば女性は権利を与えられているのか、どのような権利が与えられているのかなどについて議論が行われました

参加した女性たちが、自身の考えや日常生活のなかでの経験などを共有できるようにしました。参加者たちは、意見が交換できるこうした集いの場ができたことを喜んでいました!

以下の要点が話し合われました。

  • イスラムによって女性に与えられている権利
  • 社会の中で権利を得るにあたっての問題
  • 権利を得るために何ができるのか

参加者の女性たちはまず、イスラムでは、全ての権利が男性と同様に女性にも与えられていることを確認しました。例えば、女性も父親の財産の相続権があり、教育を受ける権利があります。イスラムの教え「ハディス」(Hadith)にも、女性も男性も教育を受ける義務があるとされています。

一方で、周囲の多くの女性たちはそういったことを知らない点が指摘されました。それは、周囲の環境が女性が教育を受けることを許さず、また、男性たちも自分たちの娘や姉妹を学校に通わせたくないと考えているからです。女性には父親の財産の相続権が与えられるべきでないと考える人々もいます。参加者は、こうした状況は、女性たちが教育されてないこと、権利に気づいていないことよると話し合いました。

そして、教育がポジティブな変化をもたらすための最善の解決策であるという点に、皆、同意しました。

参加者の女性たちは、教育は自信をもたらすものであり、教育を受けて初めて自分の権利について話すことができる、そして社会が実際には今、女性たちに与えていない権利を適切に得ることができると考えました。女性たちが教育を受ければ、イスラムによって与えられた権利に気づくことができ、誰もその権利を奪おうとはしないのです。

参加者の女性たちは、社会の中で自身の問題を伝えるのは大変難しいことだが、今回の機会で、全ての社会の問題を適切に話し合えるようになったと話してくれました!

地域で紛争解決!

ユース・ピースアクションの第14回は、地域の紛争を解決する手段についての話し合いです!

どの社会にも紛争が存在します。土地やお金、教育、文化に関わる争いや問題もあります。青少年の薬物依存や貧困、無教育などの問題もあります。争いを根絶することは不可能ですが、そのまま放置すればやがて解決できない状態になってしまいます。早い段階で紛争を解決することが必要です。そこで今回は、経験豊かな年長者たちを招いて紛争解決の方法を聞き、参加者で議論を行いました。年長者たちは地域社会において「ジルガ」(ジャルガ)と呼ばれる紛争解決のシステム(集まり)にも関わっています。

年長者たちは、紛争の解決には何よりも対話とコミュニケーションが大切だと話しました。お互いの話をしっかり聞くことなしには、小さな問題さえ解決できないということです。また協調性や結束も大切です。それによってどんな問題も解決することが可能になります。そして参加者の青年たちは、教育は人を文明的・文化的にするので、皆が教育を受ければ問題は少なくなると強調しました。また、特に青少年たちの間で寛容の心がゼロに等しく、それを改善するべきだと議論されました。

青年たちは年長者から学ぶとともに、参加者の地域の人たちに地域での紛争の適切な解決を呼びかけました!

女性☆職業訓練☆エンパワーメント☆変革☆平和!

ユース・ピースアクションの13回目は、女性のエンパワーメントに果たす職業訓練の役割を話し合うアクションです!

(参加女性の写真の掲載ができません。現地(上)と日本(下)、花の写真で連帯します!)

女性のエンパワーメントには、教育だけでなく、職業訓練も重要な役割を果たしています。エンパワーされた女性たちはまた、社会的、経済的な発展のプロセスにおいても、変革の役割を果たしています。

今回の女性ユース・グループは、女性たちにとっての職業訓練の大事さを議論し、女性たちを励まし、職業技術により女性たちがどれだけ家族を経済的にも支え、平和な社会づくりにつなげられるかを理解することを目的として、職業訓練センターにおいて話し合いの場を設けました。

技術トレーニングを受けることの重要さ、利点などを話し合う中で、こうしたトレーニングを受けるによって、女性が自立することができること、貧しさから抜け出すことができること、社会を平和にできることなどがあげられました。

技術を身につければお金を得ることができることや、教育を受けることと技術を学ぶこと両方の重要性も確認されました。

技術を得ることによりビジネスができれば、家庭を経済的に支えることができ、貧困をある程度減らすことができる、そして、ほとんどの問題は貧困から発生するため、社会は平和で安定したものになるという意見もでました。

さらに、技術を身につけ、例えば、子どもたちや家族の服もつくれるようになれば、そのために払っていたお金を節約できる、いった意見もありました。

最後には、今回のアクション運営も協力もしてくれた、職業訓練センターの女性トレーナーが彼女の経験を参加者の女性たちに語ってくれました!

彼女は5年生の頃に裁縫の技術を学び初めました。当時貧しかった家計を支えるためだったといい、洋服がつくれるようになってから彼女は一枚一枚のカードに父親の連絡先と住所、そして、「洋服を仕立てたい方は、この番号に連絡かこの住所を訪れてください」といったメッセージを書き、近所の全ての家に配って歩きました。こうして小さなビジネスをはじめ、必要なものを買ったり、貯金に充てたりできたそうです。学業とも両立させ、今ではこのように多くの女性たちに自分の技術を伝え、女性たちのエンパワーメントに貢献できることに幸せを感じる、という話をしてくれました!

パシュトゥ社会における女性の教育!

ユース・ピースアクションの12回目は、パシュトゥ社会における女性の教育の重要性について話し合い、伝えるアクションです。

(参加女性の写真の掲載ができません。現地(左)と日本(右)、花の写真で連帯します!)

教育を受けることは、誰にとっても、とても重要であり、誰にもその権利があるにも関わらず、特にパシュトゥ社会(パシュトゥ人はアフガニスタン・パキスタンに居住する民族)においては、女性が教育を受けることに関して様々な見方が存在しています。女性は教育を受ける必要がないと考える人々も一定数おり、現代においても多くの女性たちが教育から遠ざけられてしまっている現状があるのです。

今回のグループメンバーはこの現状を話し合い、女性の教育の大事さを伝えるセッションを企画しました。

目的は、①女性が教育を受ける大切さについて話し合うこと、②パシュトゥ社会での女性が教育を受けるにあたって何が課題かを見つけること、③女性が教育を受けることがどのように平和や社会の発展に影響を与えるかを話し合うことの3つです。

セッションには多くのコミュニティの女性が参加し、全員で議論を行いました。要点は以下の通りです。

  • 女性が教育を受けることは男性よりも重要である
  • 教育を受けることで、自信を付けることができる
  • イスラムの教えは女性と男性の両方に教育を命じるものである
  • 教育を受けた女性たちは、社会をよいものにできる

①について、女性が教育を受けることで、家族全体も教育を受けることになり、それは、社会全体や国も教育を受けることになり、女性が教育を受けることには男性よりも意義があるといった意見がありました。

②については、教育を受けることで、自信を持つことができるようになるという意見です。教育を受けることで、自身の権利のために声を上げることができる、自身が持つ権利が分かり、もし何か正義に反していたり、不公正であったりすることが起こってしまったときにも、声を上げることができる、という主張がありました。

③について、イスラムの教えの観点から女性の教育の重要性について指摘がありました。彼女たちはハディース(Hadith:イスラム教の教え)では、教育は全てのムスリムの男女の義務である、とされている点や、預言者ムハンマドからも教育は男性だけのものであるとはされていない、といった点を挙げ、女性は教育を受ける権利があることを確かめました。

④については、初めの①に登場した議論と同様に、女性は自分の子どもを育てることから、教育を受けることで適切な教育を子どもに与え、社会をよいものにできるとしました。

今回の参加者として集まってくれた女性たちのうち、一人の少女が自分自身の話をしてくれました。彼女は学校に通い、勉強することがとても楽しかったけれど、家庭の事情により、9年生(14・15歳程度)の時に学校をやめなくてはいけなくなってしまったそうです。

今回このセッションに参加したことで刺激をうけ、女性の教育の重要性に気づき、両親を説得してみると言ってくれました。もし学校に行くことが叶わなくても、自分で勉強を続けたいと決意を語ってくれました!

過激主義に対する宗教学者の見解に関する議論!

ユース・ピース・アクションの第11回は、過激主義に対する宗教学者の見解に関する議論です!

パキスタン政府は、2018年に「ペハミ・パキスタン」(Paigham-e-Pakistan)(パキスタンのメッセージ)という題名の121ページにわたる文書を発表しました。この文書には、1,800名以上もの宗教学者が承認した統一見解が含まれています。

ここでは、イスラム法の履行の名の下に政府を不信心者・背教者と主張する集団、そうした集団による政府や市民への攻撃、自爆攻撃、青少年の勧誘などがあるという背景について言及されています。その上で、いかなる形態の過激主義も否定され、また、宗教・宗派に基づく憎悪宣伝や武力紛争、そして宗教思想の力による強制、政府への武装闘争、いかなる形態の「テロ行為」もイスラム法に反すると述べられています。

参加者たちは、この「ペハミ・パキスタン」をもとにして議論を行いました。イスラムは平和と友好を説いていること、また行動する時には実際の事実をしっかり知らなければならないことなどを学びました!

地域の集い場「ヒュジラ」(Hujra)の復興プロジェクト!

ユース・ピースアクションの10回目は「ヒュジラ」(Hujra)の復興プロジェクトです!

「ヒュジラ」“Hujra”とは、パキスタン-アフガニスタンに暮らすパシュトゥンの人々の社会の、伝統的な集いの場を指す言葉です。重要な文化であり、集団的な意思決定や、争いごとの解決、情報共有が行われるなど、重要な伝統的社会制度として機能しています。

いわばソーシャルクラブとして、対話の場となり、社会の安定や平和を守ってきたものの、紛争や過激化、西欧化、近代化など近年の様々な情勢の中で、次第に衰退しつつある現状があります。

今回のユースグループは、こうした状況からのヒュジラ復興プロジェクトを行いました!年長者の方々の多数の参加もあり、意見が共有されました。

話し合いの論点となった一つ目は、ヒュジラの果たすポジティブな役割についてです。

ヒュジラの役割として、ゲストハウス、客人のもてなしの場、若者たちが学ぶ場、社会の問題を解決するための集いの場であることが確認されました。

ヒュジラは誰でもいつでも訪れることができ、安全、食べ物、シェルターとしての機能が保証されており、望むだけいてよいとされていました。もてなしの精神はパシュトゥンの人々にとって誇りであり、客人をヒュジラでもてなそうとします。そのことは、この地域に、ホテルやモーテル、旅館がないことからも明らかです。客人が最高の敬意と最高の食事なしにヒュジラを去るようなことになれば、恥であると考えられています。

加えてヒュジラは、若者が年長者とともに座り、様々なことを学ぶ学習の場でもありました。

話し合いの論点となった2つ目として、時代の変化により、ヒュジラが深刻な影響を受けていることが話し合われました。

西欧民主主義や司法制度の実施により、議会や裁判所としてのヒュジラの役割はなくなりました。また、ホテルや飲食店がこの地域にも現れ、増えてきていることで、客人をもてなすという要素もヒュジラから失われていきました。またテレビの出現により、人びとは通常、家にいるようになり、ヒュジラを訪れた場合でも結局テレビを見ているなど、知識の伝達がなくなりました。若者たちはよりよい教育を求め、都会に出るようになり、ヒュジラに行って人と交わる、社会化することもなくなっています。このようにして、次第にコミュニティによるヒュジラが非常に少なくなっているというのです。

こうした意見交換を経て、かつては結束のシンボルであり、意見の食い違うもの同士でも話し合いを重ねることのできた、大切な場であるヒュジラを復活させることの重要性を共有することができました。

現在、伝統的なヒュジラは、「連邦直轄部族地域」(FATA)(アフガニスタンとの国境地帯)にしか存在しないようになっており、存続の危機にあります。こうした中でも、今回のプロジェクトでは、青年たちが、年長者の方々から、ヒュジラの平和の歴史や文化を教わることができました。

グループハウス(養護施設)の子どもたちのサポート!

ユース・ピースアクションの9回目はグループハウス(養護施設)に暮らす子どもたちへのサポート活動です!

今回のアクションを行った場所はペシャワールにあるグループハウスです。多くの子どもたちが生活しており、イスラム教の勉強、運動や遊びもし、人格形成に関わる場だといえます。

今回のアクションを考案したユースたちは、以下、3つの目的からアクションを行いました。

1. グループハウスの子どもたちを元気づける。
2. 集いの場を提供し、ソーシャルメディアと平和についての情報を伝える。
3. ソーシャルメディアのポジティブな側面の活用によって得られるものについて伝える。

アクションは、ソーシャルメディアについて伝えるプレゼンテーション、ゲーム大会の2部構成で行いました。

まず第1部のプレゼンテーションでは、現代におけるソーシャルメディアの重要性と、その適切な活用方法について子どもたちに説明しました。まず学び、適切な利用をすれば、沢山の知識を吸収して視野を広げたり、様々な活用をしたりすることができるとグループメンバーたちは考えたことから、ソーシャルメディアのポジティブな側面について、重点的に説明しました。子どもたちからも質問がなされ、ユースメンバーが答えることで、理解が深まりました。

第2部は大盛り上がりのゲーム大会でした!今回ユースメンバーたちが子どもたちのために準備したのは「宝探しゲーム」と「椅子取りゲーム」の2つのゲームです。宝探しゲームでは、出されたお題のものをより多く集めた子どもがゲームの勝者になりました!椅子取りゲームではユースグループのメンバーも一緒になってゲームに参加し、歌ったり、手を叩いたりしました!

子どもたちの笑顔が溢れるアクションになりました!