⭐活動の概要:
未曽有の大災害となったパキスタンの洪水。国土の3分の1が冠水し、1,500人以上の方が亡くなったとされています。この洪水による甚大な被害があり、また、紛争や暴力の深刻な影響を受けてきた地域にて、宗派間協力による、支援物資配布などの救援活動、多様な人びとの共生などのための平和活動に取り組みます。
極めて厳しい状況であり、また大きなチャレンジですが、現地の皆さまと力を合わせて、取り組みます!ご寄付によるこの活動実施へのご支援、どうぞよろしくお願い申し上げます!
⭐人びとのストーリー(※9月後半の聞き取りより編集):
- 「過去に爆発(注:爆発物攻撃の巻き添え)で兄を亡くし、自分たちは惨めな状態で暮らしていました。また、過去にも洪水被害にあいました。そして今回の洪水。避難所におり、家の再建や子どもたちへの日々の食べ物のあてもありません。」
- 「希望を、気持ちを立て直すと、災害が、戦争が、希望を、また財産まで破壊してきました。今、家族のための食べ物はありません。今も避難所にいます。」
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⭐活動内容:
救援・平和活動に従事する、イスラム教で宗派を超えた委員会を各村に設置し、各委員は自分と別の宗派の人びとへの救援物資を提供。また、緊急時対応、共生・平和活動につき、委員の研修や、各委員会と各地域の人びととの宗派を超えた話し合い行いによる各地域計画策定を行う。
⭐活動の背景・必要性:
未曽有の大災害となったパキスタンの洪水。国土の3分の1が冠水し、1,500人以上の方が亡くなったとされています。同国北西部のチャルサダは、複数の河川が流れる一帯にあり、洪水の被害が甚大なものとなりました。20万人近くの人びとが避難したともいわれ、家屋、家財、財産、生活手段、作物などへの被害が大規模に起こっています。現在も、多数の人びとが、家に戻れない、生活が極めて困難、といった状況にあり、命や暮らしが脅かされています。
またこの地域は、紛争や暴力の深刻な影響も受けてきました。同国には、パキスタン・タリバン運動や様ざまな武装勢力が存在し、戦闘や暴力が続いています。人びとの間でも、宗教・宗派、思想的な違いで深刻な対立が引き起こされることもあります。こうした状況から、多数の一般市民が犠牲になり、また特定の宗派の人びとの犠牲も多くなっています。アフガニスタンとの国境地帯のハイバル・パシュトゥンフア(KP)州は、特にこうした状況の影響を受けています。チャルサダも同州にあります。昨年のアフガニスタンでの激変の影響はパキスタンにも及び、武装勢力の活動が活発になっています。戦闘や事件も増えています。
チャルサダでも、これまで多くの市民が犠牲になっています。また、チャルサダには、別の地からこの地に逃れた人を含めて、すでに紛争のために避難や苦しみを経てきた人も多く、こうした人の中には、今回の洪水により、再度、避難や苦しみを経験することになった人もいます。この地の人びとの苦しみは計り知れません。
当団体はこれまで、現地パートナー団体とともに、KP州の州都であるペシャワールにて平和活動を行ってきました。青少年は特に過激思想の影響も受けやすいともいわれます。そこで、青少年が平和について学び合い、自らが発案した平和活動を地域の人びとに働きかけて実施することをサポートする活動を行ってきました。また、現地パートナー団体は、この活動に加え、これまで、紛争ならびに自然災害に関わる多くの救援活動にも従事してきました。
チャルサダはペシャワールのすぐ北の地域にあります。このたび、これまでの経験も活かし、以下のように活動を実施することといたしました。
⭐活動内容(詳細):
① 救援・平和活動に従事する、イスラム教で宗派を超えた委員会を設置:
- 各村8人からなる委員会を5村の村ごとに設置する。委員は複数宗派からなり、地域活動に経験がある人たちが選ばれる。
② 各委員は自分と別の宗派の人びとへの救援物資を提供:
- 提供先は、委員会によって、洪水被害、経済状況などの基準をもとに決定。各委員は自分と別の宗派の人びとへの提供を行う。28世帯×5村=140世帯に行う。各戸の家族数は約8人。救援物資は、各世帯、小麦粉20キロ、米5キロ、砂糖5キロ、茶1キロ。
③ 委員が、緊急時対応(災害・治安関係)、共生・平和構築などを学ぶ・学び合う研修。
- 緊急時対応、被害の防止軽減措置、安全な場所への避難、諸主体との調整方法、紛争分析と対応、信頼構築などについて、お互いの経験共有なども交えて、学び、学び合う。
④ 各委員会は各地域の人びとと宗派を超えた話し合い行い、緊急時対応、共生・平和構築のための各地域 計画を策定。
- 地域事情に沿った形で策定。どう安全な場所を見つけるか、緊急対応提供主体リスト・連絡先、どう青年たちに緊急時対応活動に関わってもらうか、どう平和・信頼・相互尊重を築くかなど。
※ 委員会は将来にわたっても、緊急時対応や備え、平和活動に責任を負う。
- 各地域計画に沿った活動、実際の対応、宗派間の協力、高地・低地の明示、避難標識の表示、早期警告サインやシステムの常時機能や人びとのそれらへの意識の確保、緊急時(治安関係・自然災害)対応の定期的な模擬訓練、平和教育や共生についての意識喚起活動などがその責任。
(※なお、上記の記載順は、活動の時系列をあらわすものではありません)
⭐活動場所・期間・実施主体
- 場所:パキスタン北西部ハイバル・パシュトゥンフア州チャルサダ地区の5村
- 期間:2022年11-2023年1月の間の3か月間を予定。ただし、状況の緊急性から、別途の使途を予定していた資金からの一時的補填により、より早期の開始の可能性あり。また、活動の必要性、資金や活動運営の状況の次第で、期間自体が前後する可能性や延長の可能性あり。
運営主体:「平和村ユナイテッド」と現地パートナー団体「Sustainable Peace and Development Organization」(SPADO)
⭐ご寄付の使途:
◎当初目標額:100万円
◎使途:救援物資160世帯分(各世帯:小麦粉20キロ、米5キロ、砂糖5キロ、茶1キロ)、委員会設置・研修・地域計画策定のための会議費、交通・運搬費、運営費(人件費、送金手数料ほか)など。
◎当初の目標額を上回った場合、また、経費削減が可能になった場合には、救援物資提供世帯・実施期間・ 場所のさらなる拡大や同国での平和活動全体(こちら→https://pv-u.org/activity/)の経費に充当。
※ 本掲載内容は、洪水被災、治安状況も含めた現地状況や、情報の更新、内容の見直しなどにも応じ、随時、変更の可能性があります。
⭐甚大な洪水被害、紛争、暴力で、命や暮らしが脅かされる人びとがいます。宗派間協力による救援・平和に取り組みます!どうか、皆さまのお力添えを、よろしくお願い申し上げます!
以上です。