人びとが語る「戦争・争い・暴力」そして「平和」(アフガニスタン)

日常にある平和や非暴力についての学び合いの活動が開始されました!その後、各個人や地域による平和のためのアクションにつなげてもらうことを目的としています!

武装勢力と政府・米軍、また武装勢力間での激しい戦闘や、民間への攻撃や被害も起こってきた、活動地の4つの郡にて、7月に、まずは各一回ずつ、計四回実施されました。学校への攻撃の懸念から、学校が閉鎖されたり、生徒が通学を避けたりしていた地域もあります。

平和は現地の人びとがつくるという観点から、地域での平和活動に意欲があり、経験や技術を持つ地域の人びとに各地域の担当者の役割を担ってもらいました!(担当者の皆さんへの研修の様子はこちら!https://pv-u.org/2020/07/02/peacestarttot/987/)また、出版したばかりの、平和と非暴力の学び合いのためのブックレットも使用されました!

参加者による具体的な経験談を交え、以下のような内容が話し合われました。

  • 争いが起こっても話し合いが行われることがなく、ついには、物理的な暴力や、より大きな争いになることがよくある。
  • 人生を通じて戦争しか知らずに60になるということを想像してみてほしい。アフガニスタンでの人生とは、どこかでおこる爆発に日々おびえて生きることだ。学校なのか、モスクなのか、葬式なのか、結婚式なのか、どこで起こるか分からない。家族が家で生きているのかも分からない。和平交渉が進められているが、この数ヶ月、暴力が常に多い状態が続いており、この6月だけでも、毎日、多くの人が亡くなっている。これは子どもたちを平和的な方法で教育してこなかったからだ。子どもたちは大人になると、誤った道を選び、誤った人たちに加わってしまう。子どもたち、そして地域社会のために、平和教育が強く望まれる。私たちが正しければ、よい国家を作ることができる。
  • 環境が人びとの行為に大きな影響を及ぼす。よい地域社会があれば、人びともよくなる。
  • 夫や夫の家族からの家庭内暴力に苦しんできた女性がおり、時には苦痛があまりにひどいこともあったが、女性の外出を許さないような地域環境も存在し、病院にさえ連れて行ってくれることはなかった。この女性自身の両親からでさえ、これは運命だから耐えろと言われた。沈黙するしかなかった。しかし、夫は、この平和と非暴力の学び合いに参加してから劇的に変わり、小さなことに怒ることもなく、よく接してくれるようになり、家族にも、暴力はよくないと話をしようとするようになった。
  • 家庭内暴力に苦しんできた少年がいる。この少年はまた、学校に行くことも許されなかった。少年の家族自身も教育を受けておらず、教育の重要性、教育と平和な生活との関係を理解していなかったのである。少年は、毎日、農地で働くことを強いられた。でも、少年は学校が好きだった。少年は、この平和活動の地域担当者に助けを求めた。担当者は少年の家族との話し合いの場を設け、将来の平和な生活のために少年を学校に行かせることに同意した。今、少年は学校に通っており、空いた時間で、農地で家族を手伝っている。
  • 地域の人びとの間の争いから発砲による死傷事件にまで至ったことがあった。関わっていた人が学び合いに参加し、過去を恥じ、この学び合いに参加していれば…と話した。そして、地域の人びとやこの平和活動の地域担当者の力も借りて、問題を解決したいと語った。話し合いは今後も続くこととなった。

 

 

 

ピース・ビルダーズ!ー地域の平和活動担当者への研修(アフガニスタン)

アフガニスタンでの活動が開始されました!

平和は現地の人びとがつくるという観点から、地域での平和活動に意欲があり、経験や技術を持つ地域の住民の方にも各地域の担当者の役割を担ってもらっています。この担当者の皆さんへの研修や話し合いを行いました!

■ 今後実施される、地域自らの発案・実施のピースアクションについてのアイデア出しも行ってもらいました!スポーツ・詩・絵・たこあげ大会での平和メッセージ発信、村の清掃・麻薬撲滅・おもちゃの銃にNo!などのキャンペーン、平和に関する討論会など…Oh!興味深い!下記にご紹介します!

【ロダット郡】

  • (案1)ピース・レース!

活動地のナンガルハル県やアフガニスタンの平和をサポートするために、スポーツ選手の若者を中心に100人程度を選び、約6 kmのコースを走って記録を競う。ランナーは平和にちなむメッセージをつけて走るので、観客は自然にその平和メッセージを見ることになる。競技コースの沿線にも平和へのメッセージを掲げる。イベントを盛り上げるために、なるべく多くの村人を観客として集める。競技終了後、5位までの入賞者には賞状や記念品を贈って健闘をたたえる。また入賞者には平和について簡単なスピーチをしてもらい、可能であれば、その様子をテレビやラジオ、インターネットで配信することで、平和への意識啓発を行う。平和メッセージは、たとえば「戦争と破壊はもうこりごりだ。国に平和をとりもどそう」などである。これまで誤った道を選んでいた若者たちがスポーツにめざめ、地域のための名誉を得るようになることを促すものにもなる。

  • (案2)詩の会(パシュトゥ語で「マシャエラ」)

ロダットに住む詩人や作家、地域の人びとに呼びかけて詩の会を開く。詩と文学を通して平和をもたらし、強固なものにすることを目指す。YVO とPVUからのメッセージを受けて、詩人や作家は、地域の紛争を防ぎ平和と連帯を保つために、詩を読んでその役割を果たす。

  • (案3)ピース討論会!

男女それぞれ20人程度のグループで集まり、紛争や暴力につながりうる問題について議論する。平和への課題を明らかにし、様々な問題を議論し、解決策を提案する。

【パチエラガム郡】

  • (案1)公共の場にピース・アート!

平和の絵を描き、地域の公共の場に掲げる。毎日それを目にする住民に人生の素晴らしい事柄を想起してもらう。もともとこの平和活動全体の中で計画している「ピース・アート大会」に近いが、住民同士が議論する場を設けるわけではなく、絵をながめてそれぞれが平和を意識する点が異なる。

  • (案2)ピース・スポーツ!

クリケット、バレーボール、サッカーなどのスポーツ大会を開き、地域の紛争解決と平和構築のサポートを行う。若者に、人生のチャンピオンになり、自身と家族のためのポジティブな未来を作り出すために必要な手段やサポートを提供する。

  • (案3)ピース討論会!(ロダットの案と同様)

【ホギャニ郡】

  • (案1)ピース・ボランティア!

若者グループに地域の平和のためのボランティア精神、活動に必要な技術と知識を伝えるトレーニングイベントを開催する。イベント後、具体的なアクションとして、地域平和をめざした村の清掃・麻薬撲滅・「おもちゃの銃にNo!」キャンペーンなどを行う。

  • (案2)ピース・チルドレン!

地元でよく知られたゲームを使った子どもたちのためのイベントを開き、平和活動を行う。たとえば凧揚げ(パシュトー語でグディ・パラーン・バアジ)大会では、平和メッセージを描いた凧を揚げてもらう。広い場所に子どもや大人を集め、凧同士を戦わせて相手の凧糸を切って落とすゲームをする。最後まで落ちずに残った凧の持ち主が勝者になる。観客は凧合戦を眺めながら、落ちてきた凧に書かれたメッセージを見ることになる。また、地域の人びとに平和な暮らしを感じてもらう。

■ 地域平和担当者へのその他の研修内容は以下

  • 地域の平和活動担当者の心得の説明(マニュアル):マニュアルには、担当者が平和と非暴力の学び合いのセッションを行うために必要な事柄を明記。担当者は、セッションの参加者たちが円滑に議論し、互いに学び合い、積極的に平和の学び合いトレーニングを行えるよう手助けをすることが求められる。また学び合いの重点となる項目や、ワークショップを魅力的にするための技法、報告書の書き方、などがまとめられている。
  • この平和活動の概要:YVOとPVUによる平和活動の今後6ヶ月の活動計画を予算内容も含めて担当者に説明し、効率的に活動するための議論を行った。担当者からは、ピース・アート大会の詳しい内容や、平和の学び合いセッションでのトピックの選び方、平和の学び合いブックレットの内容、参加者を盛り上げるための方法、住民の自主的な平和活動のサポートなどについて質問があった。
  • 平和と非暴力について学び合うための出版物(ピースブックレット)の紹介

■ 参加者からは、この平和活動は有効で、特に若者の団結を強めるのに重要な役割を果たしていること、武装グループに加わるために団結するような若者には、こうした団結に代わって平和活動への団結を強めていること、こうした平和活動のおかげで暴力が減っていることへの感謝などがつたえられました!!

下記写真:これまでのピースアクションから