紛争や過激化の影響は、それまでにあった紛争解決のシステムにも及び、機能しなくなることがあります。ペシャワールを含むアフガニスタンとの国境地域は、こうした影響を特に受けている地域です。そもそも、争いごとは解決されないと、さらに大きくなってしまうことがあります。
今回、ペシャワールの青年グループは、地域の伝統的な紛争解決システムである「ジルガ」を設立するためのアクションを行いました!
最終的に紛争解決を担保する裁判所が必要なのはもちろんですが、その他の多様な紛争解決の仕組みや、お互いの役割分担や連携などによって、様ざまな場面で、人々が利用しやすい形で、適切に紛争を解決していくことが必要です。
「ジルガ」はパキスタン、アフガニスタン両国にある、特に地域の年長者を中心にした話し合いによる地域の伝統的な紛争解決システムです。参加型、迅速、裁判のようにお金がかからないこと、地域言語で行われることなどの特徴があります。
また、紛争の影響を受けた地域では、警察当局によって設立された「紛争解決委員会」(Dispute Resolution Council: DRC)という仕組みもあります。こちらも、裁判以外でも、地域社会のかかわりによって紛争を解決するための仕組みです。
今回のアクションを実施した青年たちは、「紛争解決委員会」(DRC)は、それでもやはり、政府に関係する、もしくは非常に重要とされるような地域の紛争を扱っており、異なる家族・青年・地域社会の人びとの間の小さいと思われるような多数の紛争を解決する時間がないと考え、また、「ジルガ」の方も、利害で動くこともあり、地域人口自体が非常に多いことからも、自分たちで地域に呼びかけて「ジルガ」を設立しようと考えたようです。
青年たちは集まった地域の人たちに「ジルガ」についての説明をあらためて行い、「ジルガ」のメンバーが、個々の経験に基づいて、参加者によって選出されました。地域社会に影響と責任を有する人たちで、地方自治体メンバー、教員、年長者、宗教者からなっています。
青年グループは、「ジルガ」のメンバーに、紛争解決や、青年たちの平和活動などに力を貸してほしいと、あらためてお願いをし、メンバーは協力を約束してくれました!