☆平和人列伝-アスリート編☆(クリケットを通じた平和メッセージ発信!)

ペシャワールの青年グループの一つが、クリケットを通じた平和アクションを企画しました!スポーツは平和との関係が深いものです。スポーツには寛容と相互理解を深める力があって、平和につながります!

クリケットの試合を始める前に、グループリーダーは参加者に向けて以下のように発言しました。

「スポーツは、人びとが集まって、同じ目標に向かって行動し、他人に敬意を払い、場所と道具を共有する環境をつくる格好の場を提供する。すべてのこうした側面が平和構築にとって極めて重要である。言葉を使わずにコミュニケーションをとり、共通の体験をし、直接的に身体でふれあい、そしてコミュニティでの分断を乗り越えられるなど、異なる集団の交流や関係づくりに有益だ。」

青年グループは、参加者に地元の平和大使になってもらいたいと提案しました。「地域には多くの暴力があり、今は問題をよりよく解決する適切な方法もない。私たちは今日、平和をつくることを伝えるためにここにやってきた。平和のためにぜひ協力してほしい」と訴えました。

説明が終わると参加者は二つのチームに分かれ、クリケットの試合が始まりました。試合中、平和のスローガンも共有され、地域の人びとに平和をつくる活動を応援してくれるよう呼びかけられました。試合後には表彰が行われました!

 

☆平和人列伝!-女性たち☆

日常にある平和や非暴力についての学び合いの活動が続いています!参加者による具体的な経験談を交えて行われるものです。その後、各個人や地域による平和のためのアクションにつなげてもらうことを目的としています。

活動地は、戦闘地や治安状況が非常に厳しい地域であり、また女性の置かれている状況も非常に厳しい地域となっており、女性の活動参加が非常に難しくなっています。その中でも、様々な配慮をしながら、できるだけの参加が可能になっています!

多くの場合、男性が暴力は権利であると考えているともいわれているようです。こうした考えは、人としての振る舞いについての知識が欠けていることによって保持され、身体的に力が強く、家族の中で経済的な権限を有し、家族が自分たちに依存しているのだから、暴力は自分たちの権利であると考えているともいわれているようです。

女性への暴力と人権侵害、女性の権利と役割などについて、以下のような内容が提起されました。とても深刻な内容です。 

  • 夫や夫の家族からの家庭内暴力に苦しんできた女性がおり、時には苦痛があまりにひどいこともあったが、女性の外出を許さないような地域環境も存在し、病院にさえ連れて行ってくれることはなかった。この女性自身の両親からでさえ、これは運命だから耐えろと言われた。沈黙するしかなかった。しかし、夫は、この平和と非暴力の学び合いに参加してから劇的に変わり、小さなことに怒ることもなく、よく接してくれるようになり、家族にも、暴力はよくないと話をしようとするようになった。
  • 地域の争い解決の場において年長者が下す決定に従うといった仕組みがあることも多く、罰として、加害者側から被害者側に、罰金、土地、時には武器、そして家族の女性(少女の場合も)が渡され、女性たちはその後、虐待を受けることすらある。この学び合いによって、女性を財産のように扱って別の家族に渡すなどといった権利は誰にもない、ということを理解した。
  • 家庭内暴力には夫だけでなく、夫の母親と姉妹も関与している。
  • 家族、特に女性への抑圧的な思想が、家庭内暴力の極端な増加につながっている。
  • 特に地方部では、女性たちは平和を作ることへの役割がほんのわずかしかない。平和のためには、幼少期の子どもの成育が重要である。家族の中での精神的な絆が、子どもの身体的、精神的な生育に不可欠であり、女性は平和をつくることにおける自身の役割を理解する必要がある。したがって、自身にとっても家族にとっても、よりバランスが取れた、より安全な社会の発展に寄与するために、他の主体と同じように社会に関わり、家族の生活に関与し、責任を認識し、自分自身への自信を得なければならない。

 厳しい状況にある女性たち。引き続き、女性たちへの応援、女性たちとの活動を行ってまいります!

「平和のための人の道!」-対話集会(パキスタン)

青年たちが自身の発案で実施するピースアクションの一つとして「平和のための人の道!」という対話集会が開催されました!実際のタイトルは「Humanity for Peace」!。人の生き方や、個々の人生にかかわる対話、話し合いがなされており、あえてベタに「平和のための人の道」との翻訳をいたしました!

地域での紛争に関わっている若者たちも招かれ、直接の対話が行われたようです。果たして、もう紛争には関わらない、起こさないとなったのか…

このアクションが行われた地域では、薬物の売買や使用などもなされており、それによって引き起こされる窃盗などの事件も多数起きています。地域の人びとからは、問題になっている若者たちについての提起と、このアクションにこの若者たちを参加させてほしいとの要請がなされました。地域との連携体制が組まれ、アクションの前に6回もの事前会合がなされています。この若者たちも招かれています。

そして実際のアクション「平和のための人の道!」では、平和にかかわる様ざまなことがらについての対話、地域の人びとや様ざまな若者たちを一つにすることが目的とされ、平和をつくっていくための努力をしようと呼びかけられました。イスラムにおける他者の権利、イスラムは平和の宗教であり、ムスリムとして平和と社会調和のために行動することは義務であるとの説明がなされました。

会合では以下のような強い訴えがなされました。

…地域には多くの紛争と暴力があるのに誰もそれを解決しようとしない。社会をよい方向に変えようとしない。この地域の多くの若者が紛争にかかわっているのに、誰も解決しようとせず、平和的な行動をとうるように促すものもいない。まさにこのことが理由で、私たちは今日ここに来ている。問題になっていることについて伝え、地域の平和のために行動を起こせるようにするである。平和なくしてはこの国が発展する道はない…

強い訴えです。

会合には、紛争にかかわっている若者たちも招かれており、一緒に行動するよう呼びかけられました。

この若者たちには自分たちの感情や意見を吐露する場が設けられ、若者たちによい方向への動機付けをするような具体的な様々な話も共有されたようです。この若者たちは、自分たちが受け入れられないことに関わっており、地域に何の敬意も持っていなかったと話し、自分の人生や時間を無駄にしていたと認識したとのこと。その後は地域の人たちとのコミュニケーションも始まり、地域でのイベントなどにも参加しているようです!

また、すでにアクション実施前の事前会合から変わり始めていたようで、自らの参加のみならず、ほかの地域の人たちをこのアクションに招いたりもしていたようです!さらに、その他のピースアクションなどにも参加したいと述べているようです!

アクションを行った青年たちとこの若者たちとで友情が生まれたと話してくれる人もいました!

アクションの最後では、平和のための取り組みを進めていること、ペシャワール地域の若者のネットワーク作りを行っていることも強調されました。参加者たちからも協力が表明されました!

「平和資料センター」設立アクション!(パキスタン)

ペシャワールでの青年平和活動では、グループに分かれて平和に関する学びを行っています。学びを行った青年たちは、順次、青年自身の発案によるピースアクションを実施します。今年度のアクションが始まっています!まずは、「平和資料センター」設立アクションをご紹介!

青年たちはある地域での「平和資料センター」設立を目指し、まずは、設立に向けての話し合いを行いました。上記、話し合いの様子です!何だかカワイイ☆

センター設立の趣旨は以下!

◆背景:地域一帯は、過去に多くの暴力などに苦しんできた。特に青年たちは特定の勢力からの影響で道を誤らせられてきた。今なお、青年たちの学びのためのポジティブな場がない。また、雇用がないことから、ネガティブな思考に陥ったり、誤ったお金の稼ぎ方をしたりすることも多かった。

◆目的:平和資料センターを設立し、対話、相互理解、平和の価値(知識・意見や文化間交流などを通じたもの)、他者への敬意、社会の協調、青年間のつながりを促進する。また、求職のサポートを行う。

◆活動:センターにて以下を提供する。

  • 雇用のための青年たちへの情報・求職補助・カウンセリング。
  • 教育機関(特にパキスタン・アフガン国境地帯:旧FATA(下記※参照))における奨学金・小規模ビジネスのための政府の青年ローンプログラム・入学・民族にかかわる問題の解決。
  • 旧FATAにかかわる新しい法律についての紹介。
  • 平和に関する様々な資料の収集と配布。
  • 地域のインフラや学校施設などに関しての地域の政治家との関係づくり。
  • 地域の鉱物資源に関する争いの解決の促進。

※FATA(連邦部族直轄地域):FATAでは地域の行政責任者が広範な権限を有し、通常の国内法や司法権が適用されず、部族全体の集団責任も問えるとされていました。長年の人びとの要求を受け、ついに2018年、FATAは隣接州(州都ペシャーワル)に編入され、この地域の人びとも他の地域と同様の権利を享受できることになりました。画期的な出来事です。(参照:https://www.facebook.com/peacevillageunited/photos/a.2242578739159383/2416489578434964/?type=3&theater

参加者からは協力とセンター設立のための場所を選ぶことが表明されました!すでにある地域の寄り合い場が利用されることが提案されています。今後が楽しみです!

 

 

★☆毎日新聞ご掲載!「紛争地住民発☆アフガニスタン4つのピースアクション!」について☆★

アフガニスタンの紛争地で、その地に住み暮らす人びと自身が発案・実施する4つのピースアクション!

毎日新聞ご掲載!★ https://mainichi.jp/articles/20201015/k00/00m/030/039000c

活動への応援を、クラウド・ファンディングのSyncable様サイトよりお願いします!(10/22まで!)→ https://syncable.biz/campaign/1273/

自爆・襲撃事件などによる家族や親族・友人の死、住民の虐殺…すさまじい環境…それでも、行動しないと状況は変わらないと語る現地の仲間たち!応援したい!

実施地域では、実際に激しい戦闘や事件が起こっており、多くの場合、政治・軍事的にデリケートなテーマに直接取り組むことはきわめて困難です。そうした中でもできることを!と、その地の人びと自身が発案・実施する平和のためのアクションです! 平和への大きな流れに向けて!

以下の4つのアクションが行われます!「ピース☆ランナーズ!」「ピース☆伝統格技!」「ピース☆ブック・クラブ!」「ピース☆戦争遺児の子ども支援!」
これはスゴイ!どうか皆さまの応援で実現を!

クラウド・ファンディングのSyncable様サイトよりお願いします!(10/22まで!)→ https://syncable.biz/campaign/1273/

★☆「紛争地住民発☆アフガニスタン4つのピースアクション」への応援を!(クラウド企画10/22まで)☆★

アフガニスタンの紛争地で、その地に住み暮らす人びと自身が発案・実施する4つのピースアクションを、皆さまのご寄付で応援していただけませんか?

クラウド・ファンディングのSyncable様サイトよりお願いします!(10/22まで!)https://syncable.biz/campaign/1273/

毎日新聞にもご掲載!https://mainichi.jp/articles/20201015/k00/00m/030/039000c

自爆・襲撃事件などによる家族や親族・友人の死、住民の虐殺…すさまじい環境…それでも、行動しないと状況は変わらないと語る現地の仲間たち!応援したい!

実施地域では、実際に激しい戦闘や事件が起こっており、多くの場合、政治・軍事的にデリケートなテーマに直接取り組むことはきわめて困難です。そうした中でもできることを!と、その地の人びと自身が発案・実施する平和のためのアクションです! 平和への大きな流れに向けて!

以下の4つのアクションが行われます!「ピース☆ランナーズ!」「ピース☆伝統格技!」「ピース☆ブック・クラブ!」「ピース☆戦争遺児の子ども支援!」
これはスゴイ!どうか皆さまの応援で実現を!

クラウド・ファンディングのSyncable様サイトよりお願いします!(10/22まで!)→ https://syncable.biz/campaign/1273/

ペシャワール青年ピースアクション☆二年度目!―青年たちや関係者との協議!

青年たちが平和を学び合うワークショップや、青年自らの発案・実施によるピースアクションの事前段階として、活動説明、活動参加呼びかけ、現地状況把握などを目的とした、青年たち(リーダーほか)、地域の人びと、市民団体、メディア、宗教関係者、政府関係者などとの協議を行いました!

このプロジェクトの活動地域は、社会から疎外されている地域で、過去に暴力事件や麻薬、その他、暴力的な過激主義に関連するものによる影響を受けた場所です。民族、政治、宗教・宗派などで分断され、暴力的な過激主義集団は、そうした地域の青年たちたちや地域社会につけこんでいるといわれます。

★過激主義の原因や問題点として、以下の点があげられました。

  • 青年たちはソーシャルメディアに大きく影響されている。ソーシャルメディアにおける争いを指向する映画やビデオにより青年たちに寛容な振る舞いがなくなった。また、ソーシャルメディアをネガティブな目的に使用することもある。
  • 社会の支柱である宗教学者にも、青年たちの間に平和と調和を促進しようとしない者がいる。
  • 政治家にも、争いや不寛容をもたらしている者がいる。政党の関係機関の中には、青年たちを使って自分たちの利益になるような活動を行っているところもあり、教育システムの中での大きな争いの元となっている。
  • 教育機関のカリキュラムに適切な平和教育の科目がない。
  • 建設的な対話や相互扶助、信頼構築のための青年たち生産的でポジティブな場がない
  • 地域や集団の集まりで、意思決定や争いごとの解決などを行うジャルガ/ジルガは、パシュトゥ文化における平和のシンボルであり、年長者は青年たちを受け入れる準備ができているのだが、青年たちはこれに参加していない。

★また、以下のような提案や要請、コメントがなされました。

  • コミュニティの事柄について背景知識のある青年リーダーやジャーナリスト、ソーシャルメディア活動家、若い宗教指導者などをトレーニングに呼んでほしい。
  • 様々な分野の青年たちたちとのカウンセリングを実施して、何らかの方向を示し、この活動にも関わってもらい、彼らがもっている現在の社会システムや他の青年たちへの不信感を取り除いてほしい。
  • 青年たちたちは様々な物事に触れていないので、積極的に違う世界を見せることも必要であり、体験訪問のようなものを行ってほしい。それによって、知識や理解が深まり、自身が果たすべき役割を効果的に果たすことができるようになる。
  • 政党の関係機関に関係する青年たちもトレーニングに招いて、平和と寛容の精神を伝えていく予定である。
  • このプロジェクトでトレーニングを受けた青年たちたちが、地域の青年たちたちを、ソーシャルメディアや通常メディアをうまく活用してポジティブな活動を行う取り組みや場につなげることになるだろう。
  • 青年リーダーたちが、若い政治指導者や宗教学者、学術機関、関係政府機関、市民団体に積極的に働きかけて、青年たちが信頼できる環境を提供し、青年たちが生産的に、ポジティブに、暴力的な過激主義に対抗できるようにしていく。
  • もし資金などがあれば、青年たちの対話の場をユニオン・カウンシル(行政単位)レベルに設けたい。こうした場は、地域の平和に影響を与える地域の争いごとなどを明らかにする責任を負うことになるだろう。
  • 宗教学者へのトレーニング計画も作ってほしい。
  • またジャルガジルガ/のメンバーたちも紛争解決のための技術について適切なトレーニングを受けていないので、可能であれば、トレーニングを行ってほしい。こうした活動は、平和な社会に寄与する。
  • 今後の活動には女性も招待したい。

★コロナウィルス対策のため、移動や会議に一定の制限がありました。消毒・マスク・屋外会議などの配慮を行ったほか、オンラインでの会議なども実施しました!

以上

「ピースブックレット」完成!(アフガニスタン)

家庭や地域での争いの解決、市民がそれぞれの立場で果たすべき役割など身近な事例を紹介した「ピースブックレット」!題して「平和な暮らしへの道」(Road to Peaceful Life)!

これまで現地で使用していたものに必要な更新を行い、1,000部を印刷!当団体のロゴも入っています!個々人でも、また地域でも、平和をつくる活動を実践していくためのヒントとして、また学び合いの資料として、そして手段として、使用します。

内容は難しいものではなく、人が暮らしていく上での身近なことが取り上げられています。人の感情やモラル、思いやり、そして家族の中でのことなどが含まれています。

アフガニスタンの家族は大家族で、一つの敷地内に親戚のいくつかの世帯が一緒に暮らしていることが多く、数十人にもなることがあります。また、家族のメンバーのそれぞれの親戚、友人などが頻繁に訪れて、ともに食事をしたり、話をしたりすることが多いです。ですので、家族といっても、一つの地域社会、大きなグループや組織体といってもいいと思います。ですので、家族の中での争いと平和は、イコール、地域社会・グループ・組織体でのそれ、もしくは直結することもあるもの、といってもいいと思います。

家族の中で現れてくる「争い」の例としても、実際のケンカ、暴力、ちょっかいを出す、嫌な振る舞い、支払い(食べ物・家賃・電気・ガス・服・日用品など)・教育・婚姻などをめぐる争い、などがあげられていますが、地域社会にも存在するようなものになっています。

扱われているトピックは以下のようになっています。

  • 「争い」を特定する。どんな種類の争いがあるのだろう?
  • あなたが考える「争い」って何?
  • 「争い」を3つに分けてみる-利害をめぐるもの。地位や関係をめぐるもの。価値をめぐるもの。
  • 「争い」のよい面、悪い面?!
  • 「争い」を解決する方法って?-「力」「評決」「仲裁」「交渉」「調停」「和解」
  • 「交渉」って何?よりよい「交渉」のステップとは?
  • 「交渉」の方法
  • 「調停」
  • 「和解」
  • 私たちの社会における「調停」の方法

    こちらは旧版です
  • 「争い」の定義
  • 「暴力」
  • 学校での「暴力」
  • 「暴力」って何?
  • 「偏見」
  • 「偏見」が起こるとき
  • 「偏見」って何?
  • 家族の中での争い。どのように解決するの?
  • なぜ家族の中で暴力が起こるのだろう?
  • 家族の中での暴力を止めるためのステップとは
  • 家族の中での決定
  • 家族の中での決定の重要性
  • 家族の中での決定のプロセス-問題は何?きちんと事実を知る。事実から読み解こう。
  • 解決のための二つの方法-これまで家族にあった問題、他人や人の家からも学ぼう。
  • 「尊敬」-尊敬されたければ尊敬しよう。「誠実」「人の意見を聞く」「人をたたえる」「共感と同情」「連絡を保つ」「頼られるようになる」
  • 「Golden Line」
  • ポジティブに考えよう!
  • 子どもを正しく育てるには?
  • 「平和」と「思いやり」-現地のお話から

非常に身近で現実的なものとなっており、また、実際に大きな争いや暴力につながるようなものを止める、防ぐためのヒントや手段が盛りだくさんです!これを用いた今後のピースアクション!ご期待ください!

人びとが語る「戦争・争い・暴力」そして「平和」(アフガニスタン)

日常にある平和や非暴力についての学び合いの活動が開始されました!その後、各個人や地域による平和のためのアクションにつなげてもらうことを目的としています!

武装勢力と政府・米軍、また武装勢力間での激しい戦闘や、民間への攻撃や被害も起こってきた、活動地の4つの郡にて、7月に、まずは各一回ずつ、計四回実施されました。学校への攻撃の懸念から、学校が閉鎖されたり、生徒が通学を避けたりしていた地域もあります。

平和は現地の人びとがつくるという観点から、地域での平和活動に意欲があり、経験や技術を持つ地域の人びとに各地域の担当者の役割を担ってもらいました!(担当者の皆さんへの研修の様子はこちら!https://pv-u.org/2020/07/02/peacestarttot/987/)また、出版したばかりの、平和と非暴力の学び合いのためのブックレットも使用されました!

参加者による具体的な経験談を交え、以下のような内容が話し合われました。

  • 争いが起こっても話し合いが行われることがなく、ついには、物理的な暴力や、より大きな争いになることがよくある。
  • 人生を通じて戦争しか知らずに60になるということを想像してみてほしい。アフガニスタンでの人生とは、どこかでおこる爆発に日々おびえて生きることだ。学校なのか、モスクなのか、葬式なのか、結婚式なのか、どこで起こるか分からない。家族が家で生きているのかも分からない。和平交渉が進められているが、この数ヶ月、暴力が常に多い状態が続いており、この6月だけでも、毎日、多くの人が亡くなっている。これは子どもたちを平和的な方法で教育してこなかったからだ。子どもたちは大人になると、誤った道を選び、誤った人たちに加わってしまう。子どもたち、そして地域社会のために、平和教育が強く望まれる。私たちが正しければ、よい国家を作ることができる。
  • 環境が人びとの行為に大きな影響を及ぼす。よい地域社会があれば、人びともよくなる。
  • 夫や夫の家族からの家庭内暴力に苦しんできた女性がおり、時には苦痛があまりにひどいこともあったが、女性の外出を許さないような地域環境も存在し、病院にさえ連れて行ってくれることはなかった。この女性自身の両親からでさえ、これは運命だから耐えろと言われた。沈黙するしかなかった。しかし、夫は、この平和と非暴力の学び合いに参加してから劇的に変わり、小さなことに怒ることもなく、よく接してくれるようになり、家族にも、暴力はよくないと話をしようとするようになった。
  • 家庭内暴力に苦しんできた少年がいる。この少年はまた、学校に行くことも許されなかった。少年の家族自身も教育を受けておらず、教育の重要性、教育と平和な生活との関係を理解していなかったのである。少年は、毎日、農地で働くことを強いられた。でも、少年は学校が好きだった。少年は、この平和活動の地域担当者に助けを求めた。担当者は少年の家族との話し合いの場を設け、将来の平和な生活のために少年を学校に行かせることに同意した。今、少年は学校に通っており、空いた時間で、農地で家族を手伝っている。
  • 地域の人びとの間の争いから発砲による死傷事件にまで至ったことがあった。関わっていた人が学び合いに参加し、過去を恥じ、この学び合いに参加していれば…と話した。そして、地域の人びとやこの平和活動の地域担当者の力も借りて、問題を解決したいと語った。話し合いは今後も続くこととなった。

 

 

 

イスラムにおける女性の権利!

今回のユース・ピースアクションはイスラムにおける女性の権利についてのセッションです!

(参加女性の写真の掲載ができません。現地(上)と日本(下)、花の写真で連帯します!)

今回の企画は女性のみのユースグループによるもので、イスラムによれば女性は権利を与えられているのか、どのような権利が与えられているのかなどについて議論が行われました

参加した女性たちが、自身の考えや日常生活のなかでの経験などを共有できるようにしました。参加者たちは、意見が交換できるこうした集いの場ができたことを喜んでいました!

以下の要点が話し合われました。

  • イスラムによって女性に与えられている権利
  • 社会の中で権利を得るにあたっての問題
  • 権利を得るために何ができるのか

参加者の女性たちはまず、イスラムでは、全ての権利が男性と同様に女性にも与えられていることを確認しました。例えば、女性も父親の財産の相続権があり、教育を受ける権利があります。イスラムの教え「ハディス」(Hadith)にも、女性も男性も教育を受ける義務があるとされています。

一方で、周囲の多くの女性たちはそういったことを知らない点が指摘されました。それは、周囲の環境が女性が教育を受けることを許さず、また、男性たちも自分たちの娘や姉妹を学校に通わせたくないと考えているからです。女性には父親の財産の相続権が与えられるべきでないと考える人々もいます。参加者は、こうした状況は、女性たちが教育されてないこと、権利に気づいていないことよると話し合いました。

そして、教育がポジティブな変化をもたらすための最善の解決策であるという点に、皆、同意しました。

参加者の女性たちは、教育は自信をもたらすものであり、教育を受けて初めて自分の権利について話すことができる、そして社会が実際には今、女性たちに与えていない権利を適切に得ることができると考えました。女性たちが教育を受ければ、イスラムによって与えられた権利に気づくことができ、誰もその権利を奪おうとはしないのです。

参加者の女性たちは、社会の中で自身の問題を伝えるのは大変難しいことだが、今回の機会で、全ての社会の問題を適切に話し合えるようになったと話してくれました!

地域で紛争解決!

ユース・ピースアクションの第14回は、地域の紛争を解決する手段についての話し合いです!

どの社会にも紛争が存在します。土地やお金、教育、文化に関わる争いや問題もあります。青少年の薬物依存や貧困、無教育などの問題もあります。争いを根絶することは不可能ですが、そのまま放置すればやがて解決できない状態になってしまいます。早い段階で紛争を解決することが必要です。そこで今回は、経験豊かな年長者たちを招いて紛争解決の方法を聞き、参加者で議論を行いました。年長者たちは地域社会において「ジルガ」(ジャルガ)と呼ばれる紛争解決のシステム(集まり)にも関わっています。

年長者たちは、紛争の解決には何よりも対話とコミュニケーションが大切だと話しました。お互いの話をしっかり聞くことなしには、小さな問題さえ解決できないということです。また協調性や結束も大切です。それによってどんな問題も解決することが可能になります。そして参加者の青年たちは、教育は人を文明的・文化的にするので、皆が教育を受ければ問題は少なくなると強調しました。また、特に青少年たちの間で寛容の心がゼロに等しく、それを改善するべきだと議論されました。

青年たちは年長者から学ぶとともに、参加者の地域の人たちに地域での紛争の適切な解決を呼びかけました!

女性☆職業訓練☆エンパワーメント☆変革☆平和!

ユース・ピースアクションの13回目は、女性のエンパワーメントに果たす職業訓練の役割を話し合うアクションです!

(参加女性の写真の掲載ができません。現地(上)と日本(下)、花の写真で連帯します!)

女性のエンパワーメントには、教育だけでなく、職業訓練も重要な役割を果たしています。エンパワーされた女性たちはまた、社会的、経済的な発展のプロセスにおいても、変革の役割を果たしています。

今回の女性ユース・グループは、女性たちにとっての職業訓練の大事さを議論し、女性たちを励まし、職業技術により女性たちがどれだけ家族を経済的にも支え、平和な社会づくりにつなげられるかを理解することを目的として、職業訓練センターにおいて話し合いの場を設けました。

技術トレーニングを受けることの重要さ、利点などを話し合う中で、こうしたトレーニングを受けるによって、女性が自立することができること、貧しさから抜け出すことができること、社会を平和にできることなどがあげられました。

技術を身につければお金を得ることができることや、教育を受けることと技術を学ぶこと両方の重要性も確認されました。

技術を得ることによりビジネスができれば、家庭を経済的に支えることができ、貧困をある程度減らすことができる、そして、ほとんどの問題は貧困から発生するため、社会は平和で安定したものになるという意見もでました。

さらに、技術を身につけ、例えば、子どもたちや家族の服もつくれるようになれば、そのために払っていたお金を節約できる、いった意見もありました。

最後には、今回のアクション運営も協力もしてくれた、職業訓練センターの女性トレーナーが彼女の経験を参加者の女性たちに語ってくれました!

彼女は5年生の頃に裁縫の技術を学び初めました。当時貧しかった家計を支えるためだったといい、洋服がつくれるようになってから彼女は一枚一枚のカードに父親の連絡先と住所、そして、「洋服を仕立てたい方は、この番号に連絡かこの住所を訪れてください」といったメッセージを書き、近所の全ての家に配って歩きました。こうして小さなビジネスをはじめ、必要なものを買ったり、貯金に充てたりできたそうです。学業とも両立させ、今ではこのように多くの女性たちに自分の技術を伝え、女性たちのエンパワーメントに貢献できることに幸せを感じる、という話をしてくれました!

パシュトゥ社会における女性の教育!

ユース・ピースアクションの12回目は、パシュトゥ社会における女性の教育の重要性について話し合い、伝えるアクションです。

(参加女性の写真の掲載ができません。現地(左)と日本(右)、花の写真で連帯します!)

教育を受けることは、誰にとっても、とても重要であり、誰にもその権利があるにも関わらず、特にパシュトゥ社会(パシュトゥ人はアフガニスタン・パキスタンに居住する民族)においては、女性が教育を受けることに関して様々な見方が存在しています。女性は教育を受ける必要がないと考える人々も一定数おり、現代においても多くの女性たちが教育から遠ざけられてしまっている現状があるのです。

今回のグループメンバーはこの現状を話し合い、女性の教育の大事さを伝えるセッションを企画しました。

目的は、①女性が教育を受ける大切さについて話し合うこと、②パシュトゥ社会での女性が教育を受けるにあたって何が課題かを見つけること、③女性が教育を受けることがどのように平和や社会の発展に影響を与えるかを話し合うことの3つです。

セッションには多くのコミュニティの女性が参加し、全員で議論を行いました。要点は以下の通りです。

  • 女性が教育を受けることは男性よりも重要である
  • 教育を受けることで、自信を付けることができる
  • イスラムの教えは女性と男性の両方に教育を命じるものである
  • 教育を受けた女性たちは、社会をよいものにできる

①について、女性が教育を受けることで、家族全体も教育を受けることになり、それは、社会全体や国も教育を受けることになり、女性が教育を受けることには男性よりも意義があるといった意見がありました。

②については、教育を受けることで、自信を持つことができるようになるという意見です。教育を受けることで、自身の権利のために声を上げることができる、自身が持つ権利が分かり、もし何か正義に反していたり、不公正であったりすることが起こってしまったときにも、声を上げることができる、という主張がありました。

③について、イスラムの教えの観点から女性の教育の重要性について指摘がありました。彼女たちはハディース(Hadith:イスラム教の教え)では、教育は全てのムスリムの男女の義務である、とされている点や、預言者ムハンマドからも教育は男性だけのものであるとはされていない、といった点を挙げ、女性は教育を受ける権利があることを確かめました。

④については、初めの①に登場した議論と同様に、女性は自分の子どもを育てることから、教育を受けることで適切な教育を子どもに与え、社会をよいものにできるとしました。

今回の参加者として集まってくれた女性たちのうち、一人の少女が自分自身の話をしてくれました。彼女は学校に通い、勉強することがとても楽しかったけれど、家庭の事情により、9年生(14・15歳程度)の時に学校をやめなくてはいけなくなってしまったそうです。

今回このセッションに参加したことで刺激をうけ、女性の教育の重要性に気づき、両親を説得してみると言ってくれました。もし学校に行くことが叶わなくても、自分で勉強を続けたいと決意を語ってくれました!

ピース・ビルダーズ!ー地域の平和活動担当者への研修(アフガニスタン)

アフガニスタンでの活動が開始されました!

平和は現地の人びとがつくるという観点から、地域での平和活動に意欲があり、経験や技術を持つ地域の住民の方にも各地域の担当者の役割を担ってもらっています。この担当者の皆さんへの研修や話し合いを行いました!

■ 今後実施される、地域自らの発案・実施のピースアクションについてのアイデア出しも行ってもらいました!スポーツ・詩・絵・たこあげ大会での平和メッセージ発信、村の清掃・麻薬撲滅・おもちゃの銃にNo!などのキャンペーン、平和に関する討論会など…Oh!興味深い!下記にご紹介します!

【ロダット郡】

  • (案1)ピース・レース!

活動地のナンガルハル県やアフガニスタンの平和をサポートするために、スポーツ選手の若者を中心に100人程度を選び、約6 kmのコースを走って記録を競う。ランナーは平和にちなむメッセージをつけて走るので、観客は自然にその平和メッセージを見ることになる。競技コースの沿線にも平和へのメッセージを掲げる。イベントを盛り上げるために、なるべく多くの村人を観客として集める。競技終了後、5位までの入賞者には賞状や記念品を贈って健闘をたたえる。また入賞者には平和について簡単なスピーチをしてもらい、可能であれば、その様子をテレビやラジオ、インターネットで配信することで、平和への意識啓発を行う。平和メッセージは、たとえば「戦争と破壊はもうこりごりだ。国に平和をとりもどそう」などである。これまで誤った道を選んでいた若者たちがスポーツにめざめ、地域のための名誉を得るようになることを促すものにもなる。

  • (案2)詩の会(パシュトゥ語で「マシャエラ」)

ロダットに住む詩人や作家、地域の人びとに呼びかけて詩の会を開く。詩と文学を通して平和をもたらし、強固なものにすることを目指す。YVO とPVUからのメッセージを受けて、詩人や作家は、地域の紛争を防ぎ平和と連帯を保つために、詩を読んでその役割を果たす。

  • (案3)ピース討論会!

男女それぞれ20人程度のグループで集まり、紛争や暴力につながりうる問題について議論する。平和への課題を明らかにし、様々な問題を議論し、解決策を提案する。

【パチエラガム郡】

  • (案1)公共の場にピース・アート!

平和の絵を描き、地域の公共の場に掲げる。毎日それを目にする住民に人生の素晴らしい事柄を想起してもらう。もともとこの平和活動全体の中で計画している「ピース・アート大会」に近いが、住民同士が議論する場を設けるわけではなく、絵をながめてそれぞれが平和を意識する点が異なる。

  • (案2)ピース・スポーツ!

クリケット、バレーボール、サッカーなどのスポーツ大会を開き、地域の紛争解決と平和構築のサポートを行う。若者に、人生のチャンピオンになり、自身と家族のためのポジティブな未来を作り出すために必要な手段やサポートを提供する。

  • (案3)ピース討論会!(ロダットの案と同様)

【ホギャニ郡】

  • (案1)ピース・ボランティア!

若者グループに地域の平和のためのボランティア精神、活動に必要な技術と知識を伝えるトレーニングイベントを開催する。イベント後、具体的なアクションとして、地域平和をめざした村の清掃・麻薬撲滅・「おもちゃの銃にNo!」キャンペーンなどを行う。

  • (案2)ピース・チルドレン!

地元でよく知られたゲームを使った子どもたちのためのイベントを開き、平和活動を行う。たとえば凧揚げ(パシュトー語でグディ・パラーン・バアジ)大会では、平和メッセージを描いた凧を揚げてもらう。広い場所に子どもや大人を集め、凧同士を戦わせて相手の凧糸を切って落とすゲームをする。最後まで落ちずに残った凧の持ち主が勝者になる。観客は凧合戦を眺めながら、落ちてきた凧に書かれたメッセージを見ることになる。また、地域の人びとに平和な暮らしを感じてもらう。

■ 地域平和担当者へのその他の研修内容は以下

  • 地域の平和活動担当者の心得の説明(マニュアル):マニュアルには、担当者が平和と非暴力の学び合いのセッションを行うために必要な事柄を明記。担当者は、セッションの参加者たちが円滑に議論し、互いに学び合い、積極的に平和の学び合いトレーニングを行えるよう手助けをすることが求められる。また学び合いの重点となる項目や、ワークショップを魅力的にするための技法、報告書の書き方、などがまとめられている。
  • この平和活動の概要:YVOとPVUによる平和活動の今後6ヶ月の活動計画を予算内容も含めて担当者に説明し、効率的に活動するための議論を行った。担当者からは、ピース・アート大会の詳しい内容や、平和の学び合いセッションでのトピックの選び方、平和の学び合いブックレットの内容、参加者を盛り上げるための方法、住民の自主的な平和活動のサポートなどについて質問があった。
  • 平和と非暴力について学び合うための出版物(ピースブックレット)の紹介

■ 参加者からは、この平和活動は有効で、特に若者の団結を強めるのに重要な役割を果たしていること、武装グループに加わるために団結するような若者には、こうした団結に代わって平和活動への団結を強めていること、こうした平和活動のおかげで暴力が減っていることへの感謝などがつたえられました!!

下記写真:これまでのピースアクションから

過激主義に対する宗教学者の見解に関する議論!

ユース・ピース・アクションの第11回は、過激主義に対する宗教学者の見解に関する議論です!

パキスタン政府は、2018年に「ペハミ・パキスタン」(Paigham-e-Pakistan)(パキスタンのメッセージ)という題名の121ページにわたる文書を発表しました。この文書には、1,800名以上もの宗教学者が承認した統一見解が含まれています。

ここでは、イスラム法の履行の名の下に政府を不信心者・背教者と主張する集団、そうした集団による政府や市民への攻撃、自爆攻撃、青少年の勧誘などがあるという背景について言及されています。その上で、いかなる形態の過激主義も否定され、また、宗教・宗派に基づく憎悪宣伝や武力紛争、そして宗教思想の力による強制、政府への武装闘争、いかなる形態の「テロ行為」もイスラム法に反すると述べられています。

参加者たちは、この「ペハミ・パキスタン」をもとにして議論を行いました。イスラムは平和と友好を説いていること、また行動する時には実際の事実をしっかり知らなければならないことなどを学びました!